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古杜悟の頭の中


by koto_satoru

恒常的な歳入を確保 (その2)

前回からの続き。

私のようなサラリーマンは、税金が給与天引きだから、納得もなにもなく、ただ名目と手取りの差にため息をつくばかりなのだが、あるとき...

担当営業として非常に大規模な商談をまとめることに成功し、その年の年収は通常年の約2倍となってしまった。通常なら年末調整で済む平サラリーマンが、高額医療費控除や住宅ローンに関わる税金還付申告ではなく、確定申告ですよ。
記入用紙をダウンロードして、説明書を読んでも全く訳がわからないものだから、有料の計算サービスサイトに申し込んで(どこのサイトだったか、もう忘れてしまったが、これは使いやすかった。説明も国税庁のものより数段わかり易かった)、一生懸命計算して、「うっへー、こんなに税金を払わなきゃならないんだ!」という、もうね、アホか、馬鹿かという驚きと、こんな私でも社会に少しは貢献できているんだという、ちょっとばかし誇らしい実感とがないまぜになった気分。
それがですね、税務署へ行ったとたん、なんか人がめちゃくちゃいっぱいで駐車できないんです。で、よく見たらなんか看板立ててあって、申告書記入会場こちら、とか書いてあるんです。申告書ぐらい自宅で書いて来いや、とか思いながら、なんとか申告書提出窓口にいったら長蛇の列。そこでまたぶち切れですよ。
あのな、俺は納税者番付に載るほどじゃねーけどよ、大金を真面目に申告しに来たんだよ。VIP対応とまでは言わないが、「わざわざお運びくださいまして、本当にありがとうございます」って担当が揉み手で出てきて、「どーぞこちらへ」ってソファのあるところに案内されて、「粗茶ですが」なんて出されたものをすすりながら、「そうですね、私の納める税金は、これこれ、こういう方面に使っていただければうれしいですね」なんて、希望を言い、社会のためになるんだな~って実感したいじゃないかよぉ。ボケが。

って、何となく吉野家コピペの混じった妄想をしているうちに、長蛇の列に疲れ果て、窓口にたどり着いたら「ご苦労様」の一言もなく、もちろん「沢山収めていただき、ありがとうございます」などありもせず、検印をバンバンと押して、数枚の紙を渡されておしまい。
拍子抜けするとともに、その紙を見て、唖然。

次の年、「予定納税」という制度に従って、源泉徴収される税金とは別に、7月11月と「前納」しなければならない、ですとぉ!!
で、その年の所得税の見積り額が予定納税基準額よりも少なくなる人は、「予定納税額の減額申請書」を提出して承認されれば、予定納税額は減額される...その申請書には「正当な理由」を書かなければならないのだそうだ。思案した結果、書いたよ。屈辱的な「業況不振により本年は確定申告を要しない年収額に収まりそうであり、源泉徴収および年末調整によって云々」という文言。給料もらっていないのに、税金だけ前払いせよ、って、ただでさえ、一年遅れで始まるの住民税のために、私の給料の手取りは極端に目減りするというのに...

この一件だけで、勤労の結果得た収入の中から、誇らしい気持ちでもって、社会のために納税しようという気持ちは、ガラガラと音を立てて崩れた。
自分は営業職だから、なおさら腹が立つ。
カネを得る側(徴税側)が、払う側(納税者)を全くヒトとして見ていない。客の前にヒトとして!
当然、払う側は納得することなどできない。
徴税側は「恒常的な歳入を確保」することしか考えていない。

「予算」は立てるものであり、使うものであるという発想しかない。
製品やサービスを改善して、汗水たらして、顧客を説得して、死に物狂いで達成するという考えはそこにはない。

このテーマ、もう一回、続く...

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by koto_satoru | 2004-09-21 21:23 | 地方自治